私のように海外で生活をしていると、日本語は、何と美しい言葉なのだろうと思われている方が沢山いらっしゃることと思います。
この美しい言葉を持つ国、その国の文化がどんなに素晴らしいものか? 日本語の何と繊細で、美しいこと。 特にアメリカで生活しているとひしひしと感じます。
きっと日本にお住まいの方たちは、特にそのようなことは考えたことも感じたこともないと思います。
私が、この10年ほど日本へ帰国した際にいつも感じていること。
それは、日本語が年々乱れて来ているということです。
日本のTVを見ていると、近年のお笑いブームのせいか? 芸能人の言葉の汚いこと。 とても悲しく思います。
一昔前までは、歌手、芸能人などTVで活躍されていた方達は、やはりプロ意識があったのか、皆さん、言葉使いもマナーも素晴らしかったように思います。
自分は、TVに出ている、人様に見られていると言う意識が高かったのだと思います。
それが今やどうでしょう???
TVは、日本全国に流れていますので、子供たちに与える影響がとても大きいと思います。 なのに大の大人が、いい加減な、それも汚い日本語を使っていると、判断力のない子供達は、それをカッコイイとしてすぐに真似してしまっているように思われます。
町を歩いていて、またはTVで女の子が「あいつ」、「おまえ」などど言っているのを耳にするとびっくりしてしまいます。
ティーンエイジャーだけでなく、れっきとした女性の人達までもがです。
お食事をしていて「うまい」と。 男言葉を平気で使っているのを聞くと、この人は、どんな家庭環境で育ったのかしら?と、つい考えてしまいます。
私事ですが、私は芸能人の久本雅巳さんが大好きです。 しかし、彼女がバラエティー番組で使っている言葉は大嫌いです。
あんなに素敵な人なのに。 そして、きちんととした言葉使いが出来る方なのに。 どうしてバラエティー番組では、あのような汚い言葉を使われるのかしら? 若手芸人ならまだしも、彼女は、もう若手ではなく、若い年代のお手本にもなっている人。 やはり、世間に影響力がある方達には、もう少し自分達がTVなどに出た時に世の中に与える影響ということも考えて活動していただきたいなと、数年前にTV局に投書を出そうかと真剣に考えていたほどでした。
家庭においてもそうですよね。 小さな子供やティーンエイジャーたちが親にため口を聞いているのを見て、またまたびっくりしてしまいました。
親子が仲が良いというのを、子供が親と同等な口の利き方をするのを仲が良いと勘違いしている親の方達、その辺から今の日本の家庭崩壊が始まっているのではないかしら? と思ってしまいます。
やはり親は子供にとっては尊敬できる存在でないと行けないのでは? それにより、本当の親子関係が出来て行くのではないかしら?
家庭での言葉使い、躾などがしっかりされているご家庭を見ると、とても素敵な家族関係を持たれている方たちが多いようです。
そしてそうでないご家庭はいかがなものでしょうか?
「おはようございます」、「こんにちは」、「こんばんは」、「さようなら」、など基本の挨拶を言えない人が増えて来ているってどういうことでしょう?
まして、「ありがとうございます」をも言えない人がいるって?
「ありがとうございます」って、感謝の心のこもった、温かい、とても美しい言葉だと思いませんか?
私のところへいらっしゃる日本からのお客様は、綺麗な言葉を使われる方が多く嬉しく思います。 それでも、お花やアロマを嗅いだ時に、「いい匂い」とおっしゃる方がいらしたので、このような時は、「いい香り」と使って下さいねとお伝えしています。
言葉には、言霊が宿ります。
言霊(ことだま)とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のことで、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされました。
そのため、祝詞を奏上する時には絶対に誤読がないように注意され、今日にも残る結婚式などでの忌み言葉も言霊の思想に基づくものであるそうです。
今、美しかった日本語が乱れていることを思うと、どうしても日本の国が同じように乱れて来ているように思えて仕方がありません。 何とも残念なことです。
今一度、日本語の良さを見直して、美しい日本語を、そして美しい日本の国を思って毎日を過ごしていただけたらと思います。
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by erilovesedona
| 2011-02-14 02:45